50Ωの同軸ケーブルとは
50Ω同軸ケーブルというものがあります.図1のようにテスターで測っても無限大の抵抗値を示すだけで50Ωをさすことはありません.では何が50Ωなのでしょうか.
今ここに無限長の同軸ケーブルを用意しました.その長さは太陽系の直径よりも天の川銀河の直径よりも長いのです.そして先ほどと同じようにテスターを当てました.すると今度は針が動いて50Ωの抵抗値を指すのです.実はこれが50Ωの正体なのです.さらにテスターは直流ですから正真証明の純抵抗の50Ωです.これは決してケーブルの漏れ電流とか損失とかによるものではありません.理論的にこうなるのです.
無限に長いわけですからA点から測っても50Ωとなり,例えば1000km離れたB点から測っても50Ωとなります.
ということはB点で同軸ケーブルを切断してB点に50Ωの抵抗器を付けたなら,A点から見ると無限長のケーブルが続いているのと同じことになります.これが50Ωの同軸ケーブルを50Ωの抵抗器で終端する意味になります.
この条件の時にA点から任意の波形信号を送ると一切波形崩れしないでB点側に送ることができるのです.このことは高周波や高速パルスの伝送では特に重要な特性になります.
ではなぜ無限長の同軸ケーブルにテスタを当てると針が振れるのか?まだその先に何が接続されているのかも分からないのに...その理由は追々この技術情報に書いてゆきますね.