試作と実験の大切さ
電気物理の法則は比較的理論通りに動いてくれます.たとえば1Ωの抵抗に1Vを加えるとちゃんと計算通りに1Aの電流が流れてくれます.ところが複雑な電子回路になると簡単ではなく,机上でサラサラって書いた回路が最適解である事はまずありません.実物には机上設計では気づかない多くの問題点が内在しているからです.
そこで必要になるのが試作です.試作品を通して地味な地味な実験を積み重ね.実物に潜んでいる問題点を一つ一つ丁寧に潰す必要があるのです.
例えばトヨタさんはこれまで自動車を何百万台も製造してきました.ですから今更試作車など作らずにいきなり新車を製造しても良いようなものです.ですが実際は毎回お金を掛けて試作をしています.それほどまでに試作は大切なのです.
電子回路の設計には今では便利な回路シミュレーターがあります.弊社でも良く使うのですがこれは万能ではありません.なぜなら物理法則の一部をシミュレーションしているに過ぎないからです.実物には電源をONした瞬間から何十何百もの物理の法則が容赦なく襲ってきます.このすべての物理法則を今のシミュレータでは計算出来ないのです.
くどいようですが試作と実験は大事です.道遠くともこの方法しかありません.ここにこそ財産となるノウハウがあります.そして今日も弊社は実験をしています.