経済学が面白い
最近の私のもっぱらの関心は経済学です.それまで弊社は技術に没頭できる請負開発が中心だったのですが,小さいながらもメーカを始めてからは,売れるとは何なのか価格とは何なのかを深く考察するようになりまました.
例えば,図の様にAさんとBさんが8時間労働し,そしてお互いの1時間ずつの労働成果を交換しあう事はとても素直に理解できます.
次にCさんとDさんですが,Cさんには誰にでも出来ない特殊な能力があります.Dさんは納得の上でCさんの1時間とDさんの2時間の労働成果を交換する.この話も良くあります.(例えばCさんはお医者さん)
でも世の中には良く良く考えると変だけれど,つい「等価交換」に見えてしまう商売が意外に多い事に気づきます.最も解りやすいのはコインロッカーでしょう.労働しているのはコインロッカーであって人間ではありません.つまり物の労働に人間様が感謝しお金を払っているのです.
そして時々管理人がやってきて,コインロッカーが稼いだお金を全額取り上げるのですが,ロッカーは文句を全く言わないのです.
管理人は回収以外に特に働かなくても良いのです.例え昼寝をしいてもゴルフをやっていても何ら問題はありません.なぜならロッカーが労働してくれるからです.
確かにコインロッカーの購入と設置には費用が発生します.でも減価償却が終了した次の日からロッカー代が安くなることはありません.つまり消費者はもう負担する必要のない費用を引き続き取られ続けるのです.
つまり何が言いたいのかというと,人はこの様なカラクリや仕掛けが,まるで対等な労働交換の様に見えてしまうという事なのです.
時給900円のアルバイト君が,300円でコインロッカーを使えば20分の自分の労働との交換になります.でも真の取引相手の管理人は昼寝をしています.でも等価交換なのです.そして,この様なカラクリや仕掛けで儲けてもOKと考えるのが資本主義なのです.
ビジネスを始めて20年以上になる私ですが,今頃この様な事に気づき始めた次第なのです.そして,今こういうカラクリを研究するのが面白くてたまらないのです.