アナログ技術セミナー

4/5東京の竹芝にあるアナログ・デバイセズ社に行ってきました.そう今年も開かれるアナログ技術セミナーの打ち合わせです.嬉しい事に今年も講師にとお話を頂きただただ光栄の至りです.
打ち合わせはセミナーの全体の方向性などが話し合われました.詳しい事は書けないのですがIoTの言葉も飛び交い今年も面白くなりる様相です.

2017-4-5-blog1

最近強く感じている事ですが,企業の90年代からのアウトソーシングの流行で,自分たちで積極的に回路設計をしなくなりました.それが技術の途切れを起こしアナログ技術の当たり前のことが次の世代に上手く伝承されていないと感じるのです.これではせっかく良いOPアンプや電子部品があってもその性能を生かすことは出来ません.ましてやIoTで近年ハードウェアの役割がまた見直される機運です.

2017-4-5-blog2

これは私の取引先の方のお話です.取引先は有名企業の研究所で最近新入社員が配属されたそうです.新人君は有名大学の電子xx○○のドクターとかで学歴もバッチリ.で早速簡単な回路の工作を依頼しました.すると出来上がったのですが「動きません動きません」と新人君は言ってます.

そこでその方が回路を見るとGNDの配線が全くされていなかったそうです.「ん?なぜ」と聞くと「回路図にその配線が無いから!」と新人君はまじめに答えます.そう回路図では普通GND配線を書かないですよね.だからGNDの配線が無かったんだそうです.

実は私にも若いころにおバカな失敗が有ります.最初に勤めた会社での事です.制御盤部門から電子部門の品管に転属し,ある開発品の環境評価試験をすることになりました.環境試験なんて全くの初めてです.そもそも環境試験って何なのかも良く解っていません.

で!やらかしました.巨大なタバイの恒温槽に開発品だけでなく計測器まで全部を入れて試験したのです.先輩が上がって来たデータを見て予想より暴れていたので不思議そうに「どんな試験をしたの?」と聞くから,ありのままを話すと...目を丸くしてポか~んと全く言葉を失っている様子.この時はじめて自分が何かやらかした事に気づきました.あの呆れた顔は今でも忘れません.ほんと良い苦い思い出です.(笑)

アナログ技術の伝承...私も現役の内に何かその様な仕組みを作らねばと真剣に考えています.