アナログセミナーを終えて

去る5/18.大阪での初めてのアナログセミナーを無事に終えました.もっと早くblogでご報告をと考えておりましたが,この所の分刻みの多忙で,ご報告が大変遅れ申し訳ありませんでした.

「OPアンプのノイズを実際に測る」という,かなりマニアックな内容にもかかわらず,10名の方にお越しいただきありがとうございました.遠くは長崎,長野,浜松とただただ感謝意外にありません.

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セミナーでは,何気ない接続の様子や計測器の設定であっても,参加者から「あぁなるほど」という感嘆のお声を頂く場面もありました.改めて今のエンジニアさんは,物を触る機会が減っているんだなーって思いました.

やはり時代は変わろうとも電子回路は実物をさわって何ぼですから...エンジニアさんにはとにかく物を触ってほしいものです.

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実は昨日も高速のマイコンボードが出来上がって電源を入れた所,クロックの波形が上下に振動している現象に出会いました.周波数方向の揺れは無かったのでジッタではありません.どうみても3.3V電源の発振の様に見えます.

でも過去の経験から見当が付きました.これはデカップリングコンデンサの問題だと.今回使った水晶発振器はとにかく元気がいいのです.波形が直角で今まで使ってきた水晶発振器とは全くレベルが違うのです.

原設計では水晶発振器の直近に0.1μFのコンデンサを置いています.従来品はこれでOKでした.そこで今回は上下振動を受けてまず1μFに変更してみました.すると予想通りほぼ収まってくれました.さらに4.7μFにしたところ完全に押さえ込めました.原因に検討をつけて対策まで時間にして10分位でしょうか...

まぁ解ってしまえば簡単な事ですが,経験が無いと安定化電源の問題だと思い込み,そちらばかりをいじくって無駄な時間を使っていた事でしょう.

問題点に検討をつけて解決してゆく一連の暗黙知は,ふつう実験室で先輩と一緒に仕事をする中で伝えられるものです.でも今の時代は物を触れないのでそれも難しいのでしょう.ですから私のセミナーはこの暗黙知を伝える事も隠れたテーマになっています.

さてセミナーのアイデアは尽きません.他ではやらないマニアックな内容.例えばLTspiceと実物の回路のガチンコ実験とか.ケースレイ2000やキーサイト34410Aと同等性能の6.5桁マルチメータを製作するセミナーなんかも面白いのではと考えています.