今後の予定

blogばかりの更新で,肝心な新製品の投入が遅れている今日この頃です.実は近く事務所の移転計画がありその準備に追われております.これまで弊社は請負開発をメインにやっていたので,のんびりとマンションの一室で仕事をしているだけで十分でした.

ですが,ここ数年小さいながらもメーカ志向で動きだしてからは,事務所が手狭になってきたことに加えて,メーカとしてマンションの一室ではどうも体裁が悪くなってきました.そこで駅近くの綺麗なオフィスビルに移転をいたします.

アナログデバイセズ社のセミナーでしゃべりだしてから感じている事ですが,アナログ技術の次世代への継承を真剣に考えねばならないと思っています.

というのは,ここ20年のアウトソーシングの流行もあり,うまくアナログ技術の伝承がなされていないと感じているからです.さらにデジタル=新しい,アナログ=古い,という誤ったイメージの流布も有り,日本のアナログ技術は今や壊滅状態にあると言えます.

自然界の物理現象との会話はアナログ回路でしかできません.デジタルではないのです.優れたアナログ回路が自然界と会話するからこそ,後段のデジタル信号処理(IT)が生きるのです.

新しい事務所では定期的に小さなアナログ技術セミナーを計画しています.コーヒーの入ったマグカップを持ちながら自由に意見が交わせる様なサロン形式が良いでしょうね.

なかでもトランジスタを徹底的に学習したいと思います.大学の教科書を見ても現実離れした教え方がされており,教授自身が本当にトランジスタでアンプを組んだことがあるのか?と疑いたくなるような内容です.中でもトランジスタをブラックボックスと見たてて説明されるHパラメータなんて全く現実的ではありません.

私のセミナーでは,ショックレーの式を使った近代的なトランジスタの学習を行います.そして差動アンプ,カレントミラー,カスコード接続,位相補正,エミッタフォロワへと進み,下図のOPアンプの内部回路をスラスラと読めるまで技術力を高めます.さらにこの回路をディスクリート部品で自由自在に組む能力までも身に着けます.(図はアナログデバイセズ社のOP-07)

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この他にも学習は多岐にわたり,フィードバック制御,超低雑音アンプ,超低ひずみ率回路,nV(ナノボルト)pA(ピコアンペア)メータの微小信号回路,高精度リニア電源回路,DCDCコンバータ,分布定数と高周波回路,ΔΣをFPGAで組む,計測器の正しい使い方,プリント基板の設計法なども考えております.

とにかく,いままでのセミナーに無い,地に足の着いた設計法を楽しく学びます.