セミナー用のボードが完成
セミナー用のボードが完成しデータ取りました.設計通りでいい感じです.もっぱらLTspiceのお陰でもあります.今回キャパシタにパナソニックのPPSを使っているのですがこれは良いですね.許容差2%品があり狙った通りの性能を出してくれます.さてさてそのボードの実験結果はセミナーで.
ボードの周波数特性を測るのに使っているのは,NF回路設計ブロック社のFRAのNF5090です.もう10年以上の付き合いで古いです.この計測器はとてもダイナミックレンジが広いので,微小信号も正しく「ゲイン-位相」特性が測れます.
FRAでとくに重宝しているのがフィードバック制御の評価です.スイッチング電源やDCDCコンバータ,メカの電子制御,これら実際に測ってみないと解らないアプリケーションの評価に欠かせません.
フィードバック制御は安定か不安定かのどちらかですが,安定すぎると制御が遅くなります.ですから制御を速くして尚且つ絶対に発振しないポイントを見つけなければなりません.FRAを使うとボーデ線図がバッと表示されるので見通しが良く最適解を見つけやすくなります.
その昔,数10kWの給水ポンプをインバータで可変速制御し,吐出圧力を一定制御するシステムを設計をしていたことがあるのですが,その時にはこういう計測器があるのを知らず,毎回手探りでフィードバック制御のPID設定をしていました.
逆にあの時の苦労が私のフィードバック制御の理解を深めてくれたのかもしれません.そして見つけた自分流のメソッドは今でも計測器が無い時の調整にとても役に立っています.
数10kWのポンプシステムが発振すると数秒周期の振動となり,これが建築物の固有振動数と共振すると巨大な建築物が唸るんですよね.これには驚いたことがあります.でもクレームにはなりません.客先に引き渡す前の試験なんで.でも配管が破れなかったのが幸いです.