B&K4006マイクロフォンが壊れる3
終段トランスの周波数特性ですが1MHz近くまで真直ぐな特性でした.むしろこの種のトランスとしては普通です.
それよりも私の関心は20Hz以下の特性です.さてその実測ですが20Hzでは以下のように何とか正弦波の形を保っていました.
次に10Hzの特性です.この様に大きくひずみます.これは仕方が有りません何故なら励磁の飽和があるからです.でもこのトランスは小型ながら頑張っている方です.恐らく励磁設計に余裕があるのでしょう.
そもそも何故20Hz以下に関心があるのか.それは低い周波数のひずみ成分が可聴帯に入り込んでくるからです.例えば10Hzならその高調波の20Hzや30Hzです.これが録音に混ざって有害なのです.そして何度も経験があります.
ホールで吊マイクとして録音した場合なのですが,人間には聞こえない空調の数Hzの成分が4006のトランス内で高調波を生み,それが録音全体にモワモアとした音を付帯させてしまうのです.一度可聴帯入り込んだ音はフィルタで取り除くことは出来ません.
これまでトランスであろうと仮説は立てていましたが個別実験してそれが実証されました.モアモアとした付帯音はその他にもファンタム電源という方式にも原因があります.まぁこれは別な時に実験を交えながらBlogにしましょう.
4006のトランスはいわゆるEI型でサイズは19です.見た感じ普通のケイ素鋼の様です.今これを再現して作るならファインメットで作りたいですね.(つづく)