超低ドリフトDBFレーザー光源の研究

超低ひずみフォトディティクタが出来たことで雑音以外で何が測れるようになったのか?実は光のドリフトも高精度に測れるようになりました.これはトランスインピーダンスアンプの200dBにも及ぶ高オープンループゲインの賜物です.

今日までDFBレーザーの超低ドリフト化の研究を進めてきましたが,市販パワーメータのドリフトの方が大きいので一歩進んだ評価が出来ていませんでした.一応これまでに完成させていたのが波長の高安定化です.

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この最終桁の1pmをほぼ静止させています.さらに電源をON-OFFしても目標波長に収束するまで2秒以内を達成しており,同じく電源をON-OFFしても±1pm以内に波長を再現します.

この主な要因は,超低ドリフトOPアンプの採用と,サーミスタやペルチェの熱伝達も含めたループ全体で100dBを超える一巡ループゲインで制御をかけている事です.あと20~30dBほどUPすればもっと波長のドリフトは追い込めるでしょう.

一方,出力パワーの超低ドリフト化はAPC制御が基本ですが,LD内部のPDではドリフトを高度に追い込むには限界があります.そこで外付けのPDを使います.さらに絶対値を求めるならペルチェ入りPDになります.

この外付けPDで制御をかけて,先の超低ひずみフォトディティクタで出力を見ているのが次の写真です.2.003xVは20.03xmWという意味になります.(PD感度を1A/Wと便宜的に考えた)

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外付けPDで制御する効果は大きく,雑音特性をFFTアナライザで見ていると雑音フォロワの上下振動を完全に抑えています.でもまだ私には不満があります.この1/1000桁の「3」は静止していますが,まだ1/10000桁の「x」がまだ止まっていません.これを止めたいのです.

方法は解っています.同じく一巡ループゲインをもっとUPすることです.でもAPC回路を設計したことのある方はご経験があるともいますが,ゲインのUPは発振の危険があります.さらに外付けPDではその分の位相回転が加わりより難しくなります.

ではどうゲインUPと発振回避を両立させるのか,まず光回路の工夫に加えて,制御回路に特効薬の2ポール位相補償を施す事です.これはもともとはオーディオの世界で発展してきた技術です.ただネットには間違った説明が多いので,そのうちアナログ技術セミナーで詳しく取り上げましょう.

以上は技術に関しての記述ですが,そんな高安定DFBレーザー光源ってそもそもマーケットに需要があるのか.ここが一番の問題ですね.