LNモジュール

スマフォ全盛の今日,皆さんもさぞやネット生活にどっぷりじゃないでしょうか.その通信を支えているのはレーザーによる光通信です.太平洋横断海底ケーブルも1989年より光となっており,現在はKDDIとGoogleなど6社が出資したUnityも運用が開始され最大4.8Tbpsの速度を誇っています.(でも直ぐに容量一杯になりそう...)

その電気信号を光に変調をしているのが写真のLN変調器です.LNとはニオブ酸リチウム(LiNbO3)の結晶で加える電圧により光の透過度が変わります.写真のもので10Gbpsの変調を掛けることができます.

tec51

LN変調器にはCW光つまり直流の光を入力します.そして結晶に加える電圧を変化させると光の透過度は図の様なサイン波状の明暗を繰り返します.もっとも基本的な通信では明暗の中点(Quad点)にDCバイアス電圧を設定しそこにRF信号を乗せます.制御はLNの出力光からCW成分を取り出しフィードバック制御で明暗の中点が常に一定になるようにDCバイアス電圧制御します.

SM01-fig1

別な使い方ではサイン波の頂点部や底辺部にDCバイアスをロックする方法もあります.これは普通のフィードバック理論に乗ってこないアルゴリズムなのでDSPを使ってデジタル制御をします.

レーザーは光通信だけでなく気象観測や様々な物理測定にも応用され,LN変調器もそういった分野でも活躍をしています.今皆さんが読んでくださっている私の記事も,皆さんのディスプレイに至るまでにいくつものLNを通ってきているのです.

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