オーディオ用DAコンバータ
弊社はオーディオボードの開発も実はずいぶん前から手掛けております.写真はある日本の半導体メーカさん向けに開発したDAコンバータボードです.研究現場での音質リファレンスとして使用されています.
ボードは44.1~192kHzのデータまで扱う事が出来ます.DAコンバータはアナログデバイセズ社のAD1955でクロックは2段PLL方式です.さてDAコンバータですがデータシートの回路のままでは音がぬるく全くダメでしたが,あきらめずに何度かボードを起こし直しあるツボを発見しました.すると驚くほど高音質になりました.恐らくアナログデバイセズ社のエンジニアさんも聞いたことのない音だと思います.
音質の追求以外に大切なのは,途中で不用意にケーブルが抜かれたり不用意なスイッチ操作をされても絶対に「プツ音」を出さない対策です.これがなかなか大変で考えられる全ての場面を想定して制御マイコンのファームを開発します.
音質の追求にはCD音源を主に使いますが,最後の最後は自社で録音を進めてきた音源を使います.例えば写真の打楽器アンサンブルの音源にはCDには無い強烈な瞬発力の音が記録されており,これをいかに実物に近い感じに再生できるかなどを徹底的に回路を追い込みます.
開発はだいたい2回以上ボードを作りなおします.そして各試作の度に問題点や改良点をつづったエンジニアノートを作成します.実物を触わった者でしか得られない気づきこれがノウハウなのです.とにかく徹底的に実験を積み重ねる.これが大事なのです.